Monthly Archives: December 2012

参考書紹介・現代のコンピューター労働と健康

先日読んだ本を紹介します。

現代のコンピューター労働と健康

Project Tokyo 2010でのプレゼンで、1990年に導入された欧州指令 “The minimum safety and health requirements for work with display screen equipment” (ディスプレイスクリーン機器使用作業に関する安全衛生上の最低必要条件)について紹介しましたが、その後の取材の中で、日本にも同様の文書があることがわかりました。2002年に厚生労働省が発表した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)です。このガイドラインは厚生労働省のサイトに掲載されていますが、その策定の背景や経緯、ガイドラインの内容をわかりやすく紹介しているのがこの本、現代のコンピューター労働と健康 (働く者の労働安全衛生入門シリーズ)です。

著者の宮尾克教授はコンピューター労働と健康問題の研究が専門で、この問題に関する厚生労働省の検討会委員も務めたという経歴の持ち主だそうです。

内容は読みやすいようコラムやイラストをたくさん取り入れている上、後半は資料集になっているので本文の量は多くなくさっと読めてしまいますが、この資料集がなかなかのお役立ち。ガイドラインの全文が解説付きで掲載されているほか、労働安全衛生総合研究所というところで出している「パソコン利用のアクション・チェックポイント」というパンフレットが転載されていたり、コンピューター作業の前、作業中の休憩時、作業終了後に行う体操がイラスト付きで載っていたりと、実践に役立つ情報がたくさん盛り込まれています。

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RSIGuard使用感想の紹介

以前RSIGuardというソフトについて紹介しましたが、翻訳者仲間のヨシダヒロコさんが最近このソフトを導入し、その感想をブログに載せているのでここに紹介しておきます。

RSI Guardの使い心地。

キーボードの配置で眼からうろこ

肩の痛みが長引くのでファミリードクターの紹介で、医院に併設されているフィジオセラピークリニックに行きました。フィジオセラピーは日本では理学療法と呼ばれているそうですが、病院での診療科としてはリハビリテーション科となるようです。リハビリというと病気や怪我の後の機能回復というイメージですが、それにかぎらず身体運動機能に関わる治療を行う医療分野です。英国では診療を受けるにはかかりつけのファミリードクターからの紹介が必要なのですが、オランダでは数年前から紹介がなくても診療を受けられるようになったそうで、町のあちこちにクリニックがあり、日本の整体治療院のように気軽にかかることができます。

フィジオセラピーの治療では、関節の可動範囲を広げる手技を受けたのですが、その際に姿勢の問題を指摘されました。肩が前傾している(丸まっている)ため関節周りの筋肉に過負荷がかかり、炎症に至っているのだとのこと。脇を締め、背中の筋肉を使って肩を後方に引くようにとアドバイスされ、背筋強化ための筋トレ運動を指導されました。

また、コンピューターを使う際の姿勢をチェックされたのですが、今まで気づかなかった点を指摘され、参考になりました。肩の過負荷を防ぐためのキーポイントとして気をつけるべきなのは「脇を開かない」ことなのだそうです。つまり、上腕が体側に沿ってストンと垂直に下りている状態を維持すること。上腕から腕をサイドに開いたり前に出したりすると、それだけで肩が丸まってしまうからです。

このポイントを念頭に置いて私の作業環境をチェックしてみると、キーボードやマウスの位置が身体からちょっと離れすぎていることがわかりました(左側の図の状態)。

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脇が開いている状態 vs. 締まっている状態

脇を締めた状態で手が届くようキーボード(とリストレスト)をデスクの縁ぎりぎりに寄せ、マウスマットもそのすぐ隣に移動して、肘が体側に着いたままの状態で手が届くようにしてみると、確かにかなり肩が楽になるようです。これは今まで気が付かなかった点で、眼からうろこでした。肩周りの痛みや凝りに悩んでいる方は試してみる価値があるかもしれません。

なお、キーボードやマウスを体幹近くに寄せて脇を締めた姿勢にすると、結果的に肘の曲げ角度がきつくなります。肘の角度が90度を切ると今度は肘から前腕にかけての負荷が高くなるので、角度を緩めるための調整も必要になります。デスクの高さを下げる(またはデスク下にキーボードトレイを取り付ける)か椅子の高さを上げて、肘がキーボードの上面より高い位置に来るよう調節して肘の角度を確保します。椅子の高さを上げたせいで床にかかとがつかなくなった場合は、フットレストも必要になります。