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アルク「翻訳・通訳のトビラ」で連載開始

アンケートを締め切ってから1ヶ月後の8月1日に、予告していた企画が始まりました。語学に関わる人ならお馴染みのアルク社のウェブサイトに「翻訳・通訳のトビラ」というセクションがあるのですが、その中での連載です。

タイトルは、

コンピューターで仕事をする人のためのRSI対策ガイド

〜肩こり、腱鞘炎、頸肩腕症候群…仕事を続けるために知っておきたいこと

ここをクリックすると掲載ページが開きます。↓
コンピューターで仕事をする人のためのRSI対策ガイド

連載第1回・2回は、ご協力いただいた準備調査アンケートの結果を元にした内容になっています。

日本翻訳者協会(JAT)関根マイクさんの強力なバックアップで企画が実現しました。この場を借りてお礼を申し上げます。

翻訳・通訳の仕事をしている人や志望者・勉強中の人のためのサイトでの掲載ですが、翻訳にかぎらずコンピューターのヘビーユーザーの方に参考にしていただける内容にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

なお、連載開始にあたってアンケート第2弾の回答を募集中です。こちらもよろしくお願いします!

コンピューターと健康に関するアンケート第2弾

 

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アンケート調査結果

 

(7月1日・内容更新しました)

前回のポストで募集したアンケートにご協力くださった皆さま、ありがとうございました。100人の回答が集まりましたので、回答募集を終了しました。このアンケートの結果は現在準備中の企画のデータとして使わせていただきますが、どんな数字が出ているか興味をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますので、以下に結果をまとめました。企画の詳細については近日中に発表します。

集計結果

このブログの他Twitter、Facebook、メールで回答を募集し、100人の方の回答をいただきました。アンケートの設問が2パート構成になっていて、最初は質問1〜2と3〜10を別々のページに分けていたため、2ページ目があることに気づかない方もいたようで、質問3〜10については1〜2よりも回答数が少なくなっています。

パート1

質問1

問1

オンラインで募集をかけている影響もあるかもしれませんが、毎日4時間以上という回答が圧倒的に多いです。「日によって使用時間が大きく変わる」というコメントが複数あり、またコンピューターよりもiPadを使う作業時間が多いという方がいました。

質問2

問2

「聞いたことがない」と「聞いたことはあるが内容は知らない」を合わせると90%近く、92人中実際に使用しているという回答はたった6人。厚労省が2002年に制定したガイドラインですが、10年以上経ってもなかなか普及していないようです。内容を知らないという方は、以下のリンクをぜひチェックしてみてください。

厚労省サイトの関連ページ

神奈川県予防医学協会の解説ページ

参考書紹介(過去記事)

パート2 

質問3〜10では、コンピューターを長時間使って仕事をしている人がかかりやすい症名について、どの程度知っているかを聞きました。

やはり圧倒的に知名度が高いのは腱鞘炎ですね。「聞いたことがない」という人はほとんどいませんでした。「具体的な知識がある」「診断・治療経験あり」「かかっているかも」を合わせると回答者の半数近くになります。

また 上腕骨上顆炎も「聞いたことがない」という回答が少ない症名でしたが、これはテニス肘・ゴルフ肘というわかりやすい通称がついているせいでしょう。スポーツ関連の怪我としては聞いたことがあるが、コンピューターで発症するとは知らなかったという人も多そうです。

残る8つについてはどれも「聞いたことがない」がトップになりました。

3

4

5

6

7

8

9

10

アンケートにご協力ください

このブログ、すっかり放置状態になっていましたが、実は裏でこっそり企画を温めておりまして、その準備の一環として、仕事でのコンピューターの使用と健康に関する簡単なアンケートを作りました。

できるだけ多くのデータを集めたいと思っておりますので、よろしかったらご記入ください。アンケートは無記名で全10問、回答所要時間は5〜15分程度です。以下のボタンをクリックすると、アンケートが開きます。

「コンピューターと健康に関するアンケート」に回答する

 

ご協力ありがとうございます。

お勧めビデオ・コンピューター作業の姿勢

YouTubeでとても役立つビデオを見つけたので紹介します。

How to correct posture at a computer
コンピューター作業の正しい姿勢について

Part 1: モニターや椅子の高さ調整

Part 2: 坐骨で姿勢を支えることの重要性

どちらも英語ですが、わかりやすい説明でとても参考になります。これの日本語版があったらなあ…。

ビデオの先生ドクター・スティーヴのYouTubeチャンネルには、他にも姿勢と健康に関するアドバイスビデオがたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。英語のリスニング練習にもなる?(笑)
http://www.youtube.com/user/posturedoc

いくつかピックアップすると…


上のビデオは普通に椅子に座ってデスクワークをする場合のアドバイスでしたが、こちらでは(1)バランスボールを椅子代わりにする、(2)立位でデスクワークというふたつの方法についてアドバイスがあります。ちなみに私はハードコピーでのチェック作業等を立位でやってます。バランスボールは小さいのしかなくデスクでは使えないのですが、テレビを見る時にバランスボールに座るようにしてます。このビデオを見て、大きいのも買おうかなあと思いました。ビデオでちらっと言及されていたトレッドミル・デスクに興味があるんですが、さすがに高いので…。



去年は右肩の痛みでさんざん苦しめられたので、このふたつは肩の痛み関係のビデオ。説明がわかりやすいのが良いです。「肩関節はゴルフティーとゴルフボール」「肩甲骨をテントペグで胴回りのコルセットに固定するイメージ」「肘/肩甲骨を尻ポケットに入れる」「痛み止め薬を飲むのは火災報知機の電池を抜くようなもの」等々、直観的な表現がとても巧みでなるほどと思います。

ドクター・スティーヴのブログはこちら。
http://www.gettoyourcore.com/

参考書紹介・現代のコンピューター労働と健康

先日読んだ本を紹介します。

現代のコンピューター労働と健康

Project Tokyo 2010でのプレゼンで、1990年に導入された欧州指令 “The minimum safety and health requirements for work with display screen equipment” (ディスプレイスクリーン機器使用作業に関する安全衛生上の最低必要条件)について紹介しましたが、その後の取材の中で、日本にも同様の文書があることがわかりました。2002年に厚生労働省が発表した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)です。このガイドラインは厚生労働省のサイトに掲載されていますが、その策定の背景や経緯、ガイドラインの内容をわかりやすく紹介しているのがこの本、現代のコンピューター労働と健康 (働く者の労働安全衛生入門シリーズ)です。

著者の宮尾克教授はコンピューター労働と健康問題の研究が専門で、この問題に関する厚生労働省の検討会委員も務めたという経歴の持ち主だそうです。

内容は読みやすいようコラムやイラストをたくさん取り入れている上、後半は資料集になっているので本文の量は多くなくさっと読めてしまいますが、この資料集がなかなかのお役立ち。ガイドラインの全文が解説付きで掲載されているほか、労働安全衛生総合研究所というところで出している「パソコン利用のアクション・チェックポイント」というパンフレットが転載されていたり、コンピューター作業の前、作業中の休憩時、作業終了後に行う体操がイラスト付きで載っていたりと、実践に役立つ情報がたくさん盛り込まれています。

RSIGuard使用感想の紹介

以前RSIGuardというソフトについて紹介しましたが、翻訳者仲間のヨシダヒロコさんが最近このソフトを導入し、その感想をブログに載せているのでここに紹介しておきます。

RSI Guardの使い心地。

IJETの音声入力セッションについてのコメント・感想

昨日の記事の続きです。セッションで出てきた会場からの質問についてここでコメントしておきます。

Q: 音声入力を使うメリットがあるのか、導入が大変そうだが楽になるのか?

会場でもコメントしましたが、私の場合腕の痛みに不安があったことから、かなり早くから(最初に使ったのはドラゴンVer.3)音声入力に関心があり、時間がある時に少しずつ触ってみるようにしていました。その後急激にRSIの症状が悪化してキーボードやマウスを使える状態でなくなってしまった時、職場で音声入力を導入することによりフルタイムの勤務を続けることができました。これがなかったらその時点で翻訳者生命は絶たれていたと思います。スムーズに音声入力に移行できたのは、それ以前から試用していたためある程度使い方に慣れていたことが大きな理由です。

正直日本語音声入力を使うことでキーボード入力に比べて効率が向上するという事はないと思いますが、キーボード入力ができない状況では強力な助っ人になります。仕事をしていて腕の疲れや痛み、重症の肩・首の凝りに不安を感じているという人は、まだキーボードを使える今のうちに音声入力を導入することで、いざという時に救われるかもしれません。古い記事ですが、こちらの体験記も参考にしてください。

Q: 音声入力だと声を酷使することにならないか?

RSI対策として音声入力を導入したら喉を壊した、という話はけっこうあります。RSI症状が出ている人は身体全体が常に緊張状態にあることが多く、そのため音声入力を使うと喉を傷めやすいようです。

対策としては、

  • 腹式呼吸で体の奥から発声するよう心掛ける(音楽や演劇でのボイストレーニングが有効)
  • 常に手元に水やお茶を用意し、ちびちびと頻繁に飲んで喉を潤す習慣をつける。私の経験では、一日中音声入力を使っていた時は勤務時間に2リットルぐらいは軽く飲んでいました。
  • キーボード入力と同様、音声入力の場合もこまめに休憩を取るようにする。上記に従って水を飲んでいるとトイレが近くなるので、これを利用してトイレに立ったついでに休憩を取り、ストレッチすると良いです。

Q: 情報収集や質問ができるようなユーザーコミュニティはあるのか?

英語ではSpeech Computing という大きなコミュニティがあり、私が音声入力を仕事に導入した時にはずいぶんお世話になりました。開発に関わった人が参加していたりして、質の高い情報が得られました。

また、Key Steps to High Speech Recognition Accuracyという文書は音声入力のバイブルとされていて、導入の際には必読です。RSI情報ドットコムこの文書の日本語版「ドラゴンスピーチ音声入力ガイド」(未完成)を掲載しているので参考にしてください(※リンク切れ修正しました)

日本語についてはやはりユーザー数が少ないため、コミュニティとして機能しているところはありません。以前「ViaVoiceメーリングリスト」というところに参加していたのですが、日本語音声入力で複数の選択肢があった時期でも、ほとんど利用者がいませんでした。もう消滅してしまっているようです。RSI情報ドットコムにも古い内容ですが音声入力関連情報を置いているので参照してください。質問も歓迎です。

セッションの感想コメント

予想はしていたものの、「日本語音声入力は使えない」という方向になってしまったのは残念でした。ああいうデモをやると、たいていは会場の環境の問題もあったりして通常より認識率が下がりますし、日本語入力は文字変換というプロセスがあるため、英語と比較するとどうしてももたもたした印象になります(おバカな日本語IMEを使い始めた初期の入力効率を英語のキーボード入力と較べるの同じようなもので、、音声だからというだけの問題ではありません)。

実際に日本語入力を仕事に使ったことがあるユーザーという立場から言うと、認識率は使えば使うほど向上します。また、話しながら訳文を考えるというプロセスも、最初は難しくてもやっているうちにけっこう慣れるものです。私の場合、メール等の作成より翻訳の方が高い認識率を達成できました。むしろ翻訳というプロセスと相性の良い技術だと思っています。

導入時のハードルは高いけれど、それは例えば初めて手書きからキーボード入力に移行した時や、フリック入力を始めた時のイライラとそれほど違わないもので、使っているうちに慣れるし、効率も上がっていきます。キーボードを捨てて音声入力に乗り換えよう!というのではなくても、併用という形で導入することで腕や肩への負担を軽減できRSI予防につながりますし、症状が悪化した場合のバックアップとしても期待できるので、興味のある方、痛みや凝り等で不安のある方はぜひ試してほしいと思います。